会 場:北九州市・ステーションホテル小倉 出席者:約300名 下関北九州道路建設促進協議会(会長:麻生泰九経連会長)は、下記団体と共催により、下関北九州道路整備促進大会を開催した。 主催者及び来賓挨拶の後、平成29年5月に設置した「下関北九州道路調査検討会」の検討結果について、検討会事務局から報告があり、地元行政及び経済界からの意見提言が行われた。 その後、大会決議が全会一致で採択され、ガンバロウ三唱の掛け声とともに盛況のうちに閉幕した。 <下関北九州道路整備促進大会主催団体> ・下関北九州道路整備促進期成同盟会 会長 山口県知事 村岡 嗣政 ・下関北九州道路建設促進協議会 会長 九経連会長 麻生 泰 ・下関北九州道路整備促進山口県議会議員連盟 会長 山口県議会議員 塩満 久雄 ・下関北九州道路整備促進福岡県議会議員連盟 会長 福岡県議会議員 中尾 正幸 ・下関北九州道路整備促進北九州市議会議員連盟 会長 北九州市議会議長 井上 秀作 ・下関北九州道路整備促進下関市議会議員連盟 会長 下関市議会議長 戸澤 昭夫 ・(一社)中国経済連合会 会長 苅田 知英 ・(一社)九州経済連合会 会長 麻生 泰 ・(一社)中国経済連合会・(一社)九州経済連合会 関門連携委員会 委員長 吉村 猛 (大会決議) 下関北九州道路は、既存道路ネットワークの課題の解消や関門トンネル・関門橋の代替機能の確保、更には循環型ネットワーク形成による関門地域の一体的発展のために必要な道路である。 我々は、これまで、地元の関係自治体、議会、経済界が一体となり、下関北九州道路の早期実現に向け、様々な活動を行ってきた。こうした活動が実を結び、昨年5月に行政及び経済界の実務者レベルで組織する「下関北九州道路調査検討会」が設立され、国の技術面、予算面での支援を受けながら、以下のとおり基礎的検討の成果のとりまとめが行われた。 【検討成果の概要】 ○概略ルート 下関北九州地域が有する課題を解消し、地域の更なる発展を図るための 下関北九州道路のあり方として、 ①暮らしの面では、「両市中心部を近づけること」 ②産業・物流の面では、 「多重性の確保による円滑で安定した物流の実現」 ③観光の面では、「海峡を跨いだ循環型周遊ルートの形成」 が重要である。これらの考え方をもとに複数のルート帯を総合的に判断 したところ、下関市彦島迫町付近~北九州市小倉北区西港町付近を結ぶ ルート帯が望ましい。 ○構造形式 概略ルートの検討で抽出した複数のルート帯の海峡横断部において、航 路条件等の関門海峡の現状を踏まえ、類似施工実績から適用可能性のあ る構造形式・工法を選定し、 ① 橋梁(吊橋工法) ② トンネル(シールド工法、山岳(NATM)工法、沈埋工法) について、産業・物流、観光振興への寄与や施工性など、様々な観点か ら評価を行い、各々の特徴について整理した。 ○整備手法 有料道路事業を対象として想定されるPFI的手法について、国内・海 外の事例等を参考とし、導入のねらいや基本スキームについて、とりま とめるとともに、民間の創意工夫、ノウハウの活用の余地、事業リスク の大きさやリスクの分担など、導入にあたっての論点の整理を行った。 今後は、事業の具体化に向けて、以下の事項について検討を進める必要が ある。 ・ルートについて、多様なニーズなどを幅広く汲み取るとともに、地域の 理解を高め、合意形成を図るために、地元住民をはじめとした多くの関 係者への意見聴取を進める必要がある。 ・構造形式について、高度かつ専門的な技術検討のほか、施設の活用方策 などの様々な観点から基礎的検討を進め、地域にとって望ましい構造形 式の検討を行っていく必要がある。 ・整備手法について、民間の創意工夫やノウハウを活用するPFI的整備 手法の可能性を探るため、今回の成果を基に、民間への意向把握を行い 民間参入が可能となる条件整理を進めていく必要がある。加えて、関門 海峡を跨ぐ3つの道路の一体的な運用による地域便益の最大化などにつ いての整備手法の検討が必要である。 下関北九州道路の早期実現のためには、これらの調査検討を着実に進めるとともに、次の調査検討の段階である計画段階評価へ早期に移行させる必要がある。また、地元住民をはじめとした多くの方への意見聴取や、構造形式及び新たな整備手法の検討にあたっては、高度な技術力や多岐にわたる知見が必要であり、国・2県2市・経済界が一体となって引き続き調査を進める必要がある。 さらに、国においては、平常時・災害時を問わない安定的な輸送を確保するため、物流上重要な道路輸送網を「重要物流道路」として指定し、機能の強化や重点支援を行う制度の創設を打ち出した。 この下関北九州道路は、本州や九州の玄関口として大きな役割を担う多様な物流拠点を結びつける特に重要な道路であり、「重要物流道路」の指定が不可欠であると考える。このため、周辺道路ネットワークの見直しや、国・県等の役割分担も含めて「重要物流道路」の指定に向けた検討が必要である。 このため、我々は、本会の総意に基づき、下記の事項について強く要望するものである。 ① 早期に、事業化に向けた計画段階評価に移行させること ② 高度な技術力や知見が不可欠であることから、引き続き国、2県2市、経済界が一体 となって調査検討を進めるとともに、必要な予算の確保をすること ③ 平常時・災害時を問わない安定的な輸送を確保するための「重要物流道路」として 位置づけること 以上、決議する。