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アクティブシニア介護就労促進セミナー

「シニアでも働ける介護業界 ~やりがいのある職場環境とは~ 」

 講師:舟橋 学氏 有限会社ウエルフェア三重 アドバイザー

介護業界の人材不足は極めて厳しい状況にある。本セミナーは就労意欲の高いシニア世代を介護業界に取り込む事に成功している企業の事例を紹介した。

当法人が分業制度を導入するきっかけは、利用者のクレームにあった。部屋が汚い、清掃が行き届いていないというようなものである。介護職員は、ルーティーン業務をこなさなければならないため、利用者へかかわる時間がすくなくなる。やることが多く、質が求められる。このようななかで職員は疲弊して、離職者が増加した。 当法人は分業制を導入するにあたり、利用者の身体に直接触れる直接業務とそれ以外の間接業務に分けた。直接業務は介護職員に担ってもらい間接業務は訓練生として高齢者や障害者等に担ってもらう事としている。

その効果としては、訓練生が、あらゆるところを塩素消毒しており、感染症が直近2年間は一人も出ていない。また、訓練生と接することで認知症の利用者が穏やかになった事例を挙げている。講師の舟橋氏は、訓練生と施設の利用者はリズムやペースが似ているためお互い馴染んでいったと分析している。一方、直接業務を担う介護職員は、時間にゆとりができ、その分、居室への訪問回数を増やす等、意識の変化が現れた。利用者からのクレームも減り、離職率も格段に低下している。 当法人は高齢者や障害者を戦力とするためのポイントを次のように挙げている。

①単なる正社員のフォローという位置づけでないこと。

 ・高齢者は今まで頑張って来た方である。その時のスキル、価値観、プライドを大切にすること。

②本人の能力に応じて活躍できる業務オペレーションの仕組みを作ること。

 ・本人の体の変化(虚弱、腰痛)や病気による入退院。家族の介護等のライフイベントにも柔軟に対応できる仕組みを作ること。

③役割を明確にすること。

 ・分業制度を導入している分、仕事を迷わせたり、仕事の範囲が曖昧だとお互いの不快感につながる。

④仕事に対する評価をフィードバックすること。

 ・利用者からのお褒めの言葉は極力本人に伝えること。良くてあたりまえ、とは考えない事。

⑤本人の望みに合わせて働ける仕組みを作ること。

 ・人手不足の時代、会社のオペレーションに合わせて人を雇うのではなくて、働く側の都合に合わせてシフトの構築も必要。

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