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「KYUSYU NEXT ~われわれはどうやって九州を動かしていくのか~」セミナー開催

今回で第2回目となる「KYUSYU NEXT」では、女性の参加者が半数を超え(56%)、九州の持続的発展のため、どうやって九州を動かしていくのか男女の垣根を超えた活発な議論が行われた。

 

基調講演 「人口減少社会にどう対処するか ~SDGsの実現による九州の創生~ 」(講師:中井 徳太郎氏 環境省 総合環境政策統括官) 2019年の異常気象は世界中で大災害をもたらした。世界の大部分で平均気温が上昇し、5℃上昇した地域もふえている。世界の二酸化炭素濃度は産業革命以降急激に増えており、過去6.5万年の間、周期的な増減はあったものの300ppmを超えることはなかった。現在では400ppmに達している。人間であれば根本的な体質改善が必要な状況である。  持続可能な社会に向けては、新たな文明社会を構築するという発想に転換しなくてはならない。これは環境、経済、社会の課題を同時に解決していく事である。つまりSDGsの17のゴール全部を一緒くたに考えた調和型の解決策を考えることである。ここで出てくる概念が「地域循環共生圏」という構想である。これは地球が生き物として健康であるという状況を描いてみるという発想に立っている。人は何をするにも森、里、川、海からの生態系サービスを受けている。これを上手く循環させ地域を健康な状態にする事である。ここでのポイントは自立分散とか地産地消とかの概念が大事になる。農山魚村には森、里、川、海の恵みがある。これらの恵みを都市に供給し、都市からは資金、人材などを農山魚村に供給し、その保全に寄与することで地域循環共生圏が生まれる。  人口減少については、大きな文脈でみるとそれを逆手にとるという発想に立ったほうが良い。そこでは高齢者の身体機能の補完であったり移動手段であったり、農業や林業の人手不足の解消等、様々な課題を解決する手段としてAIやITが不可欠になる。人口減少が進む局面でこそAIやITという技術が受け入れやすい。 SDGsはグローバルな問題ではあるが、末端の細胞から頑張って健康にして行くという発想で、九州を作りこんで日本を良くして行くことが大事である。人口減少の中では高付加価値経済というものを九州の中で作りこんで、それを世界に広げるという発想でポテンシャルのある九州が頑張る事を祈念する。

<各分科会座長の報告要旨> 第1分科会「企業で活躍している女性たち」(座長:和田金也氏 ㈱岩田屋三越 取締役執行役員 総合企画部長) ・女性が活躍する上で必要なものと邪魔となるものという問題提起の中で、邪魔になるものとして過度な配慮という意見が挙がった。保護するという考えよりも、女性も男性と同じように機会を与え期待をもって鍛えてもらうという事であった。必要なものとして、本人の志が挙がった。それを持つためには自己開示が大切という事や、上司との一対一の面接も有効であるという声もあった。 ・若い世代は、男女の固定的分業に囚われておらず、自然に共同で育児などをしているとの声があった。海外の先進国並みに女性が活躍する時代もここまでせまっているという期待が持てた。 第2分科会「令和時代の働き方」(座長:嘉穂無線ホールディングス㈱ 代表取締役社長 柳瀬隆志氏) ・新しい働き方の議論だけではなく、会場でのアンケートをリアルタイムで集計したり、リアルタイムで議事録作成をする等、会場の皆様とそれを体験した。 ・働き方改革は会社の事情によってそれぞれ異なるが、共通しているところは、効率化のツールとしてデジタル化を実現するためにはトップのリーダーシップが不可欠である。 ・デジタル化のツールとしてグループウエアがあるが、導入前は不安であったが試してみて案外簡単に効率化に結び付いているという声があった。 ・デジタル化の推進は、単なるツールの話ではなくて業務をどう良くするかみんなで考える良い機会でもある。 第3分科会「人口減少下の九州における地域の成長について」(座長:濱砂圭子 ㈱フラウ代表取締役社長 ・九州をどうやって動かして行くのかについて、いろいろな意見がでた。九州は仲が良いので、その仲の良さでみんなをつなげて行けば良いという意見(木藤氏)。小さな一人の力で行動し、みんなを巻き込む力が大事という意見(清原氏)。同じミッションを持った人が集まってデザインをやり直す事が大事という意見(大津氏)。個人で主体性ももってよかれと思う事をやる。一人一人がSDGsとか地域作りの意識を共有する事が大事という意見(師村氏)があった。 ・九州中にいろいろなポテンシャルがあるのだから、可能性のある地図をみんなで書き込んで九州からSDGs推し進める事ができたら良いと思う。

 

第1分科会
第2分科会
第3分科会
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