1.はじめに (公財)日本台湾交流協会の「日台産業協力架け橋プロジェクト」の一環として、 九州より台湾に訪問団を派遣し、経済交流セミナー、商談会、交流会を行った。 今回の訪問団の派遣は、九経連とMOUを締結している中華民国工商協進会の協力を得ながら準備を進め実施した。 2.ミッション団等 (団 長) 九州経済連合会・長尾専務理事 (副団長) 九州経済産業局・渡部国際部長 (団 員) 総勢41名(団長・副団長含む) 3.九州・台湾経済交流ミッション2018行程 8/29(水)移動(九州→台北市) ①表敬訪問(中華民国工商協進会) 8/30(木)②表敬訪問(行政院、日本台湾交流協会、台日産業合作推動弁公室 (TJPO)) ③経済交流セミナー ④商談会 ⑤交流会 8/31(金) ⑥ (視察班) 産業視察(新竹サイエンスパーク) ⑦ (表敬班) 表敬訪問(三三会、対外貿易発展協会(TAITRA)) 移動(台北市→九州) 【1日目】8月29日(水) ①MOU締結相手である中華民国工商協進会を表敬訪問。 今回の経済交流ミッション共同主催の謝意を伝えると同時に、今後一層の連携強化 についてお互いの意思を確認した。 【2日目】8月30日(木) ②行政院、台日産業合作推動弁公室(TJPO)といった行政機関や日本台湾交流協会を 表敬訪問。 今回の経済交流ミッション開催協力の謝意を伝えると共に今後一層の支援を依頼し 了解を得た。 ③行政院 蕭 資深談判代表 (代理執行秘書)、台湾野村総研 伊豆 総監 による新南向政策の最新情報や台湾経済動向などについて講演いただき 日本と台湾双方の企業にとってのビジネスチャンスについて解説していただいた。 更に、環境、ヘルスケア・コスメ、半導体分野の産業クラスターや個別企業から産業 協力の具体的成功事例を紹介いただき、 日本と台湾の連携が活発に行われていることを実際に理解することができた。 (参加者:日本側40名、台湾側60名)
【経済交流セミナー・プログラム】 1.開会 2.主催者代表挨拶 中華民国工商協進会 副理事長 黃 教漳 氏 (一社)九州経済連合会 専務理事 長尾 成美 氏 (公財)日本台湾交流協会 台北事務所 経済部経済室長 宮越 朗 氏 3.次第 1)講演 「新南向政策の最新状況」 中華民国行政院 資深談判代表(代理執行秘書) 蕭 振榮 氏 「台湾の経済動向と日台でのビジネス協力の可能性」 台灣野村總研諮詢顧問股份有限公司 総監 伊豆 陸 氏 2)事業連携取組事例紹介 (九州側) 九州環境エネルギー産業推進機構(K-RIP)統括マネージャー 嶋田 駿一 氏 (一社)ジャパンコスメティックセンターコーディネータ 西島俊太郎氏 九州ヘルスケア産業推進協議会コーディネータ 寺田 孝英氏 前SONY台湾董事長(熊本県-台湾 半導体関連産業交流 コーディネータ) 荒牧 直樹氏 (台湾側) 台日産業連携推進オフィス(TJPO )副執行長 翁 建一 氏 大豐機器 董事 黃 立翰 氏 節能屋能源科技股份有限公司 董事長 楊 明坤 氏
④環境、ヘルスケア・コスメ、半導体分野の3分野に特化し商談会を開催した。九州からは9社、台湾からは14社が参加し、 27コマの商談を行った。商談会は9のテーブルで同時に開始され、活発な商談が行われた。 商談会の席上、日本・台湾企業間でMOA(合意覚書)、MOU(了解覚書)の締結式がそれぞれ行われ、アライアンス事例が 目に見える形で現れた。 更に、1件の取引がその場で成立し成約に結び付くとともに、20件が今後とも継続して商談が進められることとなり、 大きな成果が見られた。商談会参加者からも満足いく商談ができた等の声を多数聴くことができた。 ⑤交流会では中華民国工商協進会黃 教漳副理事長、(公財)日本台湾交流協会台北事務所 横田光弘副代表など今回のミッションに関係する機関の幹部が参加する交流会となった。総勢80名にのぼる様々な業種の方が参加したことにより実りのある交流・情報交換ができた。 【3日目】 8月31日(金) ⑥(視察班) 台湾のシリコンバレーと呼ばれる新竹サイエンスパークを視察、台湾の最新投資環境を確認した。新竹市は台湾の西北部で台北市から70kmの位置にある。 新竹サイエンスパークは1980年に設立され、開発総面積1342ヘクタールの土地に537企業が入居し、およそ153,800人が働く台湾ハイテク産業の中心地である。 最初にサイエンスパーク管理工業区で概要ブリーフィングを受けた後、工業区内をバスで移動・視察を行った。団員は広大な敷地や整備された施設・インフラ設備、 便利な単一窓口の管理局行政サービスなどに感心するとともに、台湾事業展開の参考情報が得られ今後の足がかりを掴むことができた。 ⑦(表敬班) 三三会、対外貿易発展協会(TAITRA)を表敬訪問。成功裡にミッションを終えた謝意を伝えると共に今後一層の支援を依頼し了解を得た。 4.総括 今回のミッションでは日本・台湾企業間でMOA・MOUが締結され、一歩踏み込んだアライアンスの形が出現した。今後日本・台湾双方が更に連携を深めることで、 お互いの国のみならずアセアン諸国とのビジネスチャンスが広がり、WIN-WIN-WINの関係構築が図られることの重要性を改めて強く認識した。