◆関門海峡道路のあり方
○ 関門海峡道路の性格については一面的ではなく、北九州・下関両市をツインシティ化する地域内道路の側面と、国土軸を重層化する広域道路ネットワークの要としての側面の両面がある。
○ 同道路は、環状道路網を形成することによって、「関門地域」が北九州・下関両市の拠点性を活かし、周辺市町村と広域的な連携を強化することを可能にする。その結果、産業面だけではなく、広域圏における多様な居住形態等、生活の選択肢が広がる。この場合、同道路の整備と並行して、福岡都市圏等との連携も含め、北九州福岡道路、下関西道路等の周辺道路の整備も進める必要がある。
◆関門海峡道路の必要性
○ 関門海峡道路の必要性は、同道路の性格それぞれについて整理される。既存の各種調査等の内容について多様な視点から検討し、周辺プロジェクトの進行状況等の視察を行った結果、関門地域において北九州・下関両市が拠点性を発揮するための環状道路として、広域交通・広域利用における国土軸の重層化並びにリダンダンシーの確保を図る道路として、さらに国際貿易・交流を支える拠点を繋ぐ道路として、本会においては、同道路について大方の委員が必要であるとの見解を持った。
○ 今後さらに、国民的コンセンサスと地域内コンセンサスの両方を得るためには、費用便益分析など定量的な評価手法を用いて、経済性の視点から見た同道路の必要性を明確にする必要があると考えている。
○ その際、響灘ハブポートや新北九州空港、下関沖合人工島(ひびっくらんど)といった、地域の物流や人流に大きな変化を与える大型地域開発プロジェクトの影響を、計画策定段階の交通需要予測に適切に織り込むことが望まれる。
◆今後の建設促進へ向けての提言
○ 関門海峡道路を、今後、より熟度の高い計画として次期道路整備五ヵ年計画等に組み入れられるよう、地元が一丸となって建設促進に取り組むことが求められる。これまで建設促進活動を行ってきた団体以外でも、地元住民団体等の発意から、建設促進の気運が盛り上がることが望まれる。
○ 例えば、産業、観光など様々な分野で地域振興の常設的な機関を設置するなど、北九州・下関両市とその周辺地域を含んだ、関門地域全体を議論できる場が必要である。また、取り組んでいる活動については十分にPRし、対外的にこの地域全体のビジョンが見える形にする継続的な努力が必要である。
○ さらに、全国的なメディアや博覧会などイベントの場も積極的に活用し、特にこれからニーズの高い、産業観光といった研修的な色彩の強い施設や企業の集積、優れた景観も含めた国際海峡都市としての魅力など、この地域の持つ総合力をアピールすることが重要であり、地域の情報発信機能を高めるための活動が必要である。
○ 前述のとおり、関門海峡道路の性格は一面的ではなく、どの性格が強調されるかが、整備手法とも係わる重要な点であると考えているが、本会では整備手法のあり方については詳らかにしない。
○ しかしながら、公共事業見直しの世論が強まる中、同道路の早期実現を図るには、総事業費の削減や事業の効率化を考慮すべきである。特に国土交通省では、コスト削減のために、構造や材料に関する様々な検討が行われており、引き続き十分な調査と検討を期待する。
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